8月例会
日本海政経懇話会東部例会(新日本海新聞社主催)が21日、鳥取市のとりぎん文化会館で開かれた。元厚生労働官僚の中野雅至神戸学院大教授が「働き方改革にどう立ち向かうか」と題して講演した。労働時間短縮が企業側に求められる中、過剰なサービスや資料作りをやめるよう呼びかけた。
過剰事例として、理美容室での会話▽店の出口までのお見送り▽タクシーの乗客を迎えるために車から降りるサービス▽社内用の「凝った」パワーポイント資料-を列挙。「無理してなんでもかんでもやっていたら従業員は身が持たない」と説いた。
生産性の向上に加え、人手不足の解消も働き方改革の要諦になると説明。高齢者と若年者が組んで仕事する「ペア就労」を取り上げ、高齢者は「働きがい」、若年者は「技術」を得られる点を紹介した。成長願望が強い若年者の仕事観にも言及し、専門能力が身につく職場環境の情報発信を勧めた。
中野さんは米大統領選や自民党総裁選を念頭に「辰(たつ)年は政変の年だ」とも解説。聴講者から来月の総裁選の行方を尋ねる声が上がっていた。