10月例会

日本海政経懇話会東部例会(新日本海新聞社主催)が29日、鳥取市のとりぎん文化会館で開かれた。防災システム研究所所長の山村武彦氏が「巨大地震に備える実践的防災対策」と題して講演した。日本では地震をはじめとする自然災害は不可避とし、企業の日頃からの備えの重要性を訴えた。
 日本の立地を4枚のプレートがせめぎ合って地震や噴火が多発し、大陸性気候と海洋性気候がぶつかり合って異常気象も直撃しやすく「災害から逃げられない国」と説明した。災害への備えについて世界各国の災害現場を見た経験から「一つとして同じ災害はなく、特定の災害を基準にしてマニュアルを作ってしまうと使えない可能性がある」と現状の対策を検証するよう求めた。
 その上で「災害は時と場所を選ばない」とし、シナリオの無い抜き打ちの防災訓練や自社が甚大被害を受けることを前提にしたバックアップオフィスの確保、支援を受けるための受援計画、被災規模を想定した復旧計画などの事前の備えが企業にとって肝要と指摘した。