5月例会

 日本海政経懇話会(新日本海新聞社主催)の東部特別例会が23日、鳥取市のとりぎん文化会館で開かれ、サイエンス作家の竹内薫さんが「AIと共存する未来~必要な思考のレッスンとは」と題して講演した。消える仕事、残る仕事の仮説を取り上げ、「付加価値」や「心」を存廃のキーワードに挙げた。
 人工知能(AI)に代わられる仕事、生き残る仕事に関する海外の論文を引用した。消える側に分類されたタクシー運転手を引き合いに「介護タクシーなど人間がやることに意味があれば、残る」と語り、その人がやることの「付加価値」が重要と説明。残る側の病院関係者については「AIでがんを診断できるが、この治療でいこうと決断し、患者と相談しながら、心のケアをするのは医師、看護師だ」と述べた。
 AIが自我に目覚める未来にも言及し、「ターミネーター」が出現するディストピアではなく「鉄腕アトム」が人類を守る世界の大切さを力説。一方で、AIがやらない仕事に就くための準備は欠かせないとして、暗記型ではなく探究型の学習の必要性を強調し、そのためのキーワードとして「遊ぶ」感覚を挙げた。