8月東部例会 古賀茂明氏(政治経済評論家)

日本海政経懇話会東部例会(新日本海新聞社主催)が28日、鳥取市のとりぎん文化会館で開かれ、政治経済評論家の古賀茂明氏が講演した。自民党内の「石破降ろし」が渦巻く中、石破茂首相に対して「企業・団体献金の廃止」に踏み込むよう訴えた。
 石破首相の続投を望む世論を念頭に「続投できるかもしれないが、そこからがいばらの道。何をやるのかメッセージを出してほしい」と語った。企業・団体献金の規制強化に向けて立憲民主党の野田佳彦代表と協議入りする意向を示した石破首相の姿勢に注目し「日本の政治が企業中心から国民中心に変わる」と期待した。
 米中対立を巡る石破首相の立ち位置にも言及。「欧米中心からアジア最重視へ」と唱え、中国の習近平国家主席との会談を通して信頼関係を構築するよう求めた。田中角栄氏が首相だった1972年当時の日中共同声明などを引き合いに「第5」の重要文書調印の必要性を説いた。
 自民党内の「歴史修正主義」についても触れ「これだけは止めなければいけないというのが使命感の根源になっている」と石破首相の胸中を察した。
 古賀氏は「私は石破首相の続投に懸けているが、(続投が決まった後に)どうするのかが国民にとって大事だ」と展望した。