6月西部例会 豊田真由子氏(医療法人顧問、元衆院議員)

日本海政経懇話会西部例会(新日本海新聞社主催)が5日、鳥取県米子市明治町の米子ワシントンホテルプラザで開かれた。元衆院議員で医療法人の顧問を務める豊田真由子氏が講演し、日本の介護や医療、それを支える社会保障の仕組みを相対的に見直し、時代に合わせたものにすることが、負担軽減や必要なサービスの維持につながると指摘した。
厚生労働省の元官僚でもある豊田氏は、高齢化が進む日本社会について「歴史上初めて直面する事態であり、介護や医療の在り方を大きく変えなければいけない」と強調。人口減少が進む中、「直面する課題を強みに変える前向きな発想の転換が必要」と説いた。
日本の医療費が年間47兆円余りと、3年連続で過去最高を更新していることに触れ、その原因が高齢化と医療の高度化にあるとし、「増えた費用は必ず誰かが負担している。サービスは増えてほしいが負担は嫌では維持することが難しい状況」と危機感を示した。
また、医療機関にかかる人の割合を示す外来受診率が、先進国では韓国に次いで高いことも挙げ、「命や健康を害するものはいけないが、過剰な医療サービスがあるのではないか」と見直しの必要に言及。「冷静に世界を見ると日本は決して負担の多い国ではない」とし、諸外国の制度などと相対的に比較しながら、「スタート地点に立ち返ってどうするべきか考え、解決策を見いだす必要に迫られている」と今後の議論に期待した。