11月特別例会

日本海新聞政経懇話会(新日本海新聞社主催)中部特別例会が9日、倉吉市上井町1丁目の日本海新聞中部本社ホールで開かれ、同市出身で国際金融評論家の倉都康行氏が「21世紀型リスクにどう立ち向かうか」と題して講演した。金融市場分析の視点から、今後想定されるリスクと、経済成長につながる懸命なリスク対応「リスクテイク」の重要性を説いた。
 倉都氏は「危険」と訳されることの多いリスクを、「逃げることもできれば、経済的なリターンも得られるコインの裏表の関係」と表現。保険や割賦販売、株式会社など、現代経済に欠かせない仕組みはリスク対応から生まれたとし「リスクテイクと経済は密接に関係している」と述べ、過剰なリスク回避は経済成長を阻害すると指摘した。
 今後想定されるリスクとして、トランプ前大統領の再選など波乱要因を抱える米国や、バブル崩壊後の日本と同じシナリオをたどりつつある中国を挙げ「不透明感から米国株が売りに出されることで割高な米国株価の適正化が進むことや、中国リスクを回避した投資の流れが日本へ向くことが期待できる」と予測。値動きに一喜一憂せず、冷静にプラスの側面を分析する必要性を訴えた。
 経済状況はコロナ禍で一変したとし、「4、5年前の発想では駄目」と考え方の転換を提案。「長期金利は年明け以降、1・5~2%に上昇しても不思議ではない」と強調し、早期の資金調達などの対策を求めた。(井田慎一)

【写真説明】冷静な判断と懸命なリスクテイクの必要性を説く倉都氏=9日、倉吉市上井町1丁目の日本海新聞中部本社ホール