3月例会

 日本海政経懇話会西部例会(新日本海新聞社主催)が6日、鳥取県米子市明治町の米子ワシントンホテルプラザで開かれ、大阪市長や大阪府知事、日本維新の会代表を務めた松井一郎氏が「政治家の喧嘩力」と題して講演した。「怒り」を動機に政治の世界に飛び込み、大阪の二重行政の打破や「身を切る改革」として行財政改革に突き進んだ20年間を紹介した。
 松井氏は、かつて府財政は赤字が常態化しており、盟友の橋下徹氏とともに報酬や職員の人件費など固定費の見直しで財政健全化を達成したと回顧。府と市の意見が対立して協力しない「府市あわせ(不幸せ)」とやゆされた二重行政も府市の職員を集めた組織を立ち上げるなどして解消したとした。
 また、菅義偉前首相とのエピソードを披露。新型コロナウイルス禍のさなか、迅速な対応ができない現場の状況を首相だった菅氏に伝えて対応を求めたこともあったとし「国の力が必要な場合は下から積み上げの議論もするが、時間が長引くときはトップダウンで答えを出して円滑に物事を進めた」と明かした。
 このほか、「身を切る改革」で自身の報酬を減額してきたことを踏まえ「役所を動かす政治家が襟を正さなければならない」と強調。日本の政治の現状を「自分たちの優遇・厚遇にはメスを入れず、あれだけ裏金をポケットに入れている人たちが役所を動かす側では、何を言っても言うことを聞かない。説得力がない」と切り捨てた。